精進料理とは

精進料理は魚介・肉を取り入れずに穀物・野菜・海藻だけで構成される料理です。
一汁三菜・一汁五菜・二汁五菜など宗派の戒律により異なります。

精進とは、美食を戒め、粗食により悪行を去り善行を修めること。

もとは僧侶の食事でしたが、一般には身を清める潔斎の食事として法事のときに出されるようになりました。

精進料理は素食を旨として、材料そのものの持ち味を引き出した料理のため、健康食として見直されています。

宋からもたらされた技術によって大発展

鎌倉前期、臨済宗の栄西と曹洞宗の道元は、宋から禅宗とともに中国の僧院風料理を伝えました。
その僧侶のための点心から、精進料理ができました。

とくに、宋から石臼で大豆や小麦を粉にして加工する技術がもたらされたのは、精進料理の発展のもとになりました。

安土桃山時代には現代のような姿に

精進料理の膳組は、武家の本膳料理とともに発展していきました。
天正9年(1581)に大徳寺で行われた、一休宗純百年忌に出された精進料理の膳組は、現代のものとほとんど変わりません。

茶の湯から生まれた茶懐石のうち、精進の懐石ではこの膳組で用いられる膳椀の形式が登場します。

のちに精進料理は曹洞宗の精進料理黄檗宗の普茶料理高野山の精進料理長崎の普茶料理など宗派によって、さまざまに分かれていきました。

寺院の特別な料理から庶民の料理へ

俳人の連歌の席で供された会席料理は、醤油の味で味覚を統一していく味付けの関東風と、素材の風味を生かす味付けの京風に分かれていきました。

京料理がそのような特色を持ったのは、精進料理の影響によるものです。

精進料理を出す店では、客の要望により酒も出されます。
日本酒は「般若湯(はんにゃとう)」、ビールは「泡般若(あわはんにゃ)」と呼びます。

精進料理の内容の一例

精進料理は「本膳」と「二の膳」で構成されます。

本膳:客の左側に置かれる

  • (ひら): 「おひら」ともいう。旬の材料の煮物。
  • 小皿: 茶筅なす、ししとうなど。
  • 猪口(ちょく)または坪(つぼ): 和え物。ごま和え、白和えなど。
  • 膳皿: 野菜や海藻などの酢の物。木の皿に盛る。
  • 飯: 普通は白飯。季節によって筍ご飯や茸ご飯なども出される。
  • 汁: 味噌仕立て。実は季節の野菜。
  • 雀皿: 香の物

二の膳:客の右側に置かれる

  • 汁: すまし汁の吸い物。料理の半ばに出される。
  • 油皿: 揚げ物。野菜か果物の精進揚げ。
  • (盛り込み皿: 海藻や麩を炊いたもの。油皿の代わり。)
  • (つぼ): ごま豆腐など。
  • 台引: 菊花かぶや網代こぶなど。土産物だがこの場で食べてもいい。

典座(炊事係の僧侶)の合図に従って、一同が合掌してからいただきます。

般若湯が出されるときは、本膳の飯と汁物は最後に出され、二の膳の吸い物椀が最初になります。