年の市とは

正月を迎えるための品々を揃えるため、年末に開かれた市のことです。
「歳の市」とも書き、「暮市」「節季市」ともいいます。

法被を着て「特売」のプレートを持った男性
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年の市には、しめ飾り、裏白、水引などの正月飾り、羽子板、双六、おせち料理用の材料などのほかに、雑貨や日用品も並びます。
正月を迎えるための準備と、新年から新しい物を下ろして使う習慣が合わさって発展しました。

江戸の年の市

12月17日・18日に立つ東京の浅草観音の市は、「大市」と「羽子板市」が立ち、江戸第一の規模を誇ったといわれます。

羽子板市は貞享年間の頃には立っていました。
年末恒例の風物詩で、値段は店の人と買い物客との交渉で決まり、大きな羽子板に買い手がつくと威勢良く三本締めが行われます。

12月15日・16日の世田谷の「世田谷ぼろ市」は、日用雑貨、衣料品、骨董品などが並ぶリサイクル市です。
天正年間に小田原城主の北条氏政が無税の市を認めたことから始まり、のちにこの市に古着や古道具などを持ち寄られるようになりました。

12月28日に薬研堀不動尊で納めの歳の市が立ったあと、大晦日には捨てるように安売りをしたので捨市と呼ばれ、庶民はこれを待って買いに行きました。

京の年の市

京都では毎月21日に東寺の市の「弘法さん」、25日に北野天満宮の市「天神さん」という2大縁日が開かれます。

12月の年内最後の市は、それぞれ「終い弘法」「終い天神」と呼ばれ、正月道具や骨董品などが並びます。

「弘法さんの日が晴れだったら、天神さんの日は雨」(その逆の言い方もあります)とは、冬の京都の天候が一定周期で変わることを表しています。