陶器と磁器、違いは?
普段使いの食器の陶磁器。
違いがわかり難いものもありますが、特徴をおさえておけばすぐに見分けられます。
陶器
- 陶器の特徴
- 水漏れを防いだり強度を上げるために、釉薬をかけて高温で焼き上げています。
そのため外面がガラス質で被われたようになっています。
釉薬や産地の土の違いによって、できあがりはさまざまになります。 - 原料
- 陶土(粘土)。
全体に土の色があり、柔らかな感じがします。
陶器のことを土物(つちもの)ともいいます。 - 高台の色
- 釉薬がかかっていないので、じかに土が見えます。
- 指ではじいてみると
- 鈍い音がします。
- 見込(器の内側)
- 色や釉薬の流れ具合がさまざま。
釉掛けや装飾で変化を出すことが多いです。 - 器体と釉薬・上絵
- 全体的に厚くぽってり。
磁器のように模様が描かれているものもありますが、外見はぽってりしているので違いがわかります。 - 高台
- 一番見分けやすいのがここ。
陶器はじかに土の色が出ます。
白泥をかけて「白化粧」をほどこしているものもありますが、それでも土の色が出ます。 - 主な陶器の産地
- 会津本郷焼、益子焼、笠間焼、瀬戸焼、美濃焼、萩焼、唐津焼、薩摩焼など
磁器
- 磁器の特徴
- 比較的技術が新しく、軽くてじょうぶ。
藍色で下絵を描いた染付や、鮮やかな色合いで上絵を描いた色絵磁器などがあります。 - 原料
- 陶石。
白く固い感じがします。
磁器のことをしろものともいいます。 - 高台の色
- 釉薬がかかっていないと、石っぽい白色。
- 指ではじくと
- 金属質の音がします。
- 見込
- 透明釉薬が均一にかけられています。
染付などで外側がシンプルなときは、見込に絵などが描かれます。 - 器体と釉薬・上絵
- 染付・透明釉をかける前に下絵を描きます。
上絵・本焼きしてから、上絵の具で絵柄を描きます。
ほかに青磁・白磁などがあります。 - 高台
- 白色。
ここに釉薬ががついていると、焼成中に棚板にくっついてしまうので、窯入れの前に必ず釉薬は拭きます。 - 主な磁器の産地
- 有田焼(伊万里焼)、九谷焼、京焼、砥部焼など
陶磁器の名前の多くは、①産地または作家名、②技法、③文様、④形といった要素で付けられます。
たとえば国宝「仁清色絵雉香炉」は、「仁清」(名前)、「色絵」(技法)、「雉」(文様、図柄)、「香炉」と並んでいます。