節分

2月

豆を投げられて逃げるコミカルな鬼のイラスト

立春前の節分は特別

節分は、立春・立夏・立秋・立冬の前日の季節が移り変わるときにそれぞれ置かれています。

しかし一般的には、とくに立春の前日の、新暦2月3日か4日をさします。
旧暦では立春で年があらたまることから、冬の最後の日として大晦日のように重要視されているのです。

2021年の節分は2月2日です

長い間2月3日が節分だったのですが、令和3年(2021年)の節分は2月2日です。

現在使われている太陽暦(グレゴリオ暦)は1年が365日ですが、地球が太陽の回りを一周する1太陽年は365.2422日です。
この0.2422日(約6時間)を調整するために4年に一度、1年を366日の閏年にします。

現在使われている暦と、実際の季節の移り変わりを示す1太陽年(春分点から天球の黄道を通って春分点に戻るまで)との差は約6時間あります。
この差を4年に1回うるう年をおき、さらに400年に3回、本来はうるう年なのにうるう年ではない年を置いて調整しているのですが、それでも令和3年(2021年)は2月3日に収まりませんでした。

節分が2月2日になるのは明治30年(1897年)以来124年ぶりで、3日でなくなるのは昭和59年(1984年)に2月4日になったとき以来37年ぶりです。

2022年以降の節分は2月3日に戻りますが、今後は4年に1回のうるう年の翌年の節分が2月2日になり、次に2日になるのは2025年です。

それ以降、2058年から2090年はうるう年とその翌年も節分が2月2日になります。
2091年以降は4年に3回の頻度で変わります。

2100年に400年に3回の調整が入り、元の2月3日に戻ります。

豆まきの始まりは大晦日の追儺

奈良時代に中国から、追儺(ついな)(鬼やらい)の行事が伝わりました。
宮中では、大晦日に鬼の面を付けた人を邪気に見立てて、弓を鳴らして追い払いました。
これが豆をまく習慣に変わり、江戸時代には庶民に広まりました。

季節の変わり目に鬼がやってきて、災厄をまき散らすと考えられていたため、鬼を払う行事が広まりました。
節分が暦の上での季節の変わり目なので、この日の行事になりました。

豆まきの手順

豆まきはもともと年男か、厄年の男性、どちらもいない場合は一家の主人か跡取りの息子が行なうものでしたが、現代では家族揃って豆をまきます。

手順

  1. 節分の前日に豆を枡か三宝に入れ、神棚に供えます
  2. 夕方、神棚から下ろして豆を炒ります
  3. 夜になったら玄関や窓を開け放ち、「鬼は外」と2回唱えながら豆をまきます
  4. 「福は内」と2回唱えながら、家の中に豆をまきます
  5. 巻き終わったら、福が出て行かないように、窓と戸をしっかり閉めます
  6. 1年の無事を祈って、年齢の数だけ豆を食べます

豆まきの後、年齢よりも1つ多い数の豆を食べると、無病息災で過ごせるといわれます。
これには、厄年の人の、1つ多く食べて厄年を早く通過したいという願いが込められているからです。

逆に、厄年の1歳手前の人は年齢と同じ数の豆を食べます。

やいかがし

豆をまく以外でも悪臭ととがったもので鬼を追い払おうという、「やいかがし」があります。
柊の枝に鰯の頭や豆がらを串刺しにしたもので、軒下や玄関先に立てておきます。

恵方巻

厚焼き卵、しいたけ、高野豆腐、胡瓜、かんぴょうを巻いた巻寿司が3本積み重ねられている写真
Photo by フリー素材ドットコム

恵方巻は、その年の吉方位(恵方)に向かって食べる太い巻き寿司のことです。
「招福巻」や「まるかぶり寿司」などの名前で売られています。

「恵方巻」とは関西に伝わる古い風習だそうで、その年の恵方に向かって、無病息災を願って無言で太巻を食べます。
節分の太巻丸かぶりは、江戸時代の大阪・滋賀・和歌山の一部にあったそうです。

昭和48年(1973年)は海苔が豊作で、時あたかもオイルショックによる物価高騰のおり、海苔の安さをPRしようと大阪海苔問屋協同組合が道頓堀の「くいだおれ」前で街頭販売していました。

その当時、寿司屋に海苔を卸すさいに、丸かぶりのいわれを説明したチラシを一緒に配っていましたが、昭和52年(1977年)に「くいだおれ」前で丸かぶりイベントを催しました。

話し好きな大阪の人たちが黙って太巻を食べなくてはならないという制約がうけて、イベントは大盛況となりそれがマスコミに取り上げられ、「恵方巻」が広まりました。

これが全国に広まったのは、コンビニの全国チェーン展開の威力のおかげです。

平成元年(1989年)に広島のセブンイレブンが「恵方巻」の販売を始めたことに始まり、平成7年(1995年)には関西以西、平成10年(1998年)に全国で発売されるようになりました。

しかし近年は各コンビニやスーパーの大量生産による大量廃棄、いわゆる「廃棄ロス」が問題になっています。

参照サイト

2023年4月4日

Posted by 管理人めぶき