成人の日 (国民の祝日)

1月

成人式の会場前で記念写真を撮っている、いずれも真面目なスーツと黒い和装の男性と振袖の女性2人のイラスト
illustration by アカラジェ | イラストAC

もとは1月15日だった

1月の第2月曜日

「国民の祝日に関する法律」にて「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。」と定められています。

昭和24年(1949年)に「国民の祝日に関する法律」が施行された当初、1月15日が成人の日でした。
これは、小正月の風習を残したいとの農村部の希望を取り入れたことによります。

旧暦一月十五日の小正月は、明治6年(1873年)に新暦が採用されて以降忘れられつつありましたが、祝日となったことにより存在が再度クローズアップされました。

しかし、平成10年(1998年)に「ハッピーマンデー制度」により成人の日は1月第2月曜日に移動してしまいました。

この日は成人式が行なわれます

成人を祝うしきたりは古く、天武11年(682年)に規定された結髪加冠の制までさかのぼります。
男子は15歳前後で元服・褌祝・兵児祝・烏帽子祝などといい、女子は13歳前後で鉄漿(かね)付け祝・ゆもじ祝・髪上げ祝といわれていました。

「成人の日」には多くの自治体が新成人たちを招待して成人式を催し、講演会をしたり記念品を贈ったりします。
地域によっては、成人式を盆に行なうところもあります。

自治体が主催する「成人式」を日本で最初に行なったのは昭和21年(1946年)埼玉県蕨町(現在の蕨市)で、「第1回 青年祭・成年式」に由来します。

選挙権は18歳からになりました

高校の制服を着た男女の生徒が、投票用紙を投票箱に入れているイラスト
illustration by フリーイラスト素材集 ジャパクリップ

平成27年(2015年)6月に「公職選挙法等の一部を改正する法律(平成27年法律第43号)」が成立、平成28年(2016年)6月19日より施行され、満18年以上の人が選挙権を有することになりました。

また選挙運動のできない人の年齢も、年齢満20年未満から年齢満18歳未満に引き下げられました。

18歳からできること、20歳にならないとできないこと

国民投票の投票権を有する者および選挙権を有する者の年齢が満18年以上とされたことをふまえ、民法(明治29年法律第89号)の成年年齢が引き下げられました。

これまで日本では二十歳から大人、だったのに令和4年(2022年)より大人は18歳から、に変わりました。

では、ほかの20歳で区切られていたことは変更されたのでしょうか。

民法

「民法の一部を改正する法律(平成30年法律第59号)」が平成30年(2018年)6月20日に公布され、令和4年(2022年)4月1日から施行されます。

以下はその変更点です。

  • 成年年齢を20歳から18歳に引き下げる(第4条)
  • 婚姻年齢を男女とも18歳とする(第731条)
  • 「未成年者の婚姻についての父母の同意」を廃止(第737条 削除)
  • 合わせて婚姻による成年擬制を廃止(第753条 削除)
  • 養親となる者の年齢を「成年に達した者」から「20歳に達した者」に変更する(第792条)
  • 「養親が未成年者である場合の縁組の取消し」を「養親が20歳未満の者である場合の縁組の取消し」に変更(第804条)

成年年齢が引き下げられたため、18歳になると親の同意を得ずに、婚姻だけでなくさまざまな契約を結ぶことができるようになります。

支払いや返済能力に問題がなければ、クレジットカードの作成、各種ローンを組む、携帯電話の契約、アパートやマンションの賃貸契約の締結などが可能です。

自分で有効期限10年のパスポートを取得することも可能になります。

少年法

少年法(昭和23年法律第168号)の適用年齢は、現行の20歳未満が維持されることになりました。

いっぽう、18歳・19歳の犯罪は、成人と同様の刑事手続きをとる検察官送致(逆送)の対象を広げて厳罰化され、重大な犯罪では起訴段階での実名報道が可能になりました。

飲酒、喫煙

飲酒・喫煙は引き続き20歳になってからです。

令和4年(2022年)の「民法の一部を改正する法律」の施行に伴い、未成年者飲酒禁止法(大正11年法律第20号)は「二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律」に、未成年者喫煙禁止法(明治33年法律第33号)は「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」に名称変更されます。

公営ギャンブル

競馬・競輪・競艇・オートレースのいずれも、20歳未満の人の投票権の購入や譲り受けは引き続き禁止です。

パチンコ

「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)」(風営法)により、18歳未満の者がその営業所内に立ち入ってはならない旨を営業所の入口に掲示しなくてはならないと規定されています。

引き続き、18歳未満の人は立ち入り禁止です。

カジノ

「特定複合観光施設区域整備法(平成30年法律第80号)」(IR整備法)に、カジノ業者は20歳未満の者をカジノ施設に入場、滞在させてはならないと規定されています。

国民年金

国民年金の第一号被保険者の資格は、20歳に達したときに取得します。
変更はありません。

裁判員制度

裁判員は、20歳以上で選挙権のある人のなかから毎年くじで選ばれます。
年齢満18年以上満20年未満の人は、当分の間選定されないようです。

成人式は?

それでは成人式はどうなるのでしょうか。

法務省によると、

 成年年齢が18歳に引き下げられた場合には,そもそも18歳の方を対象とするのか,高校3年生の1月という受験シーズンに実施するのか,2022年度は3学年分同時に実施するのかといった問題があると指摘されています。
 政府としては,成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議において,関係者の意見や各自治体の検討状況を取りまとめた上で情報発信し,各自治体がその実情に応じた対応をすることができるよう取り組んでいきたいと考えています。

18歳に変更するのか、これまでどおり20歳でいくのかは、各自治体の裁量に任されているようです。

2023年4月2日

Posted by 管理人めぶき