粥占神事
1月15日。
この日の前後に、粥を用いた占いの粥占(かゆうら)が各地の神社で行われます。
この占いはその年の農作物の豊凶を見るのが主ですが、自然災害や世相も見る神社もあります。
粥占の方法は大別すると2種類あります。
小豆粥を炊いた釜の中に複数の竹筒を入れて、その中の粥の入り具合やカビの生え具合で占うもの。
「粥掻棒」という先の割れた棒で粥をかき混ぜて、割れ目に挟まった米粒の数で占うものです。
神社ではおもに前者の方法が用いられます。
年占に粥を用いるのは、粥が邪気を払うとの信仰があるからと考えられています。
粥占は明治期まで全国各地の村落などで行われていたのですが、現代ではいくつかの神社の神事として続けられています。
上の動画は和歌山県の須佐神社の粥占神事です。
以下は、1月15日に粥占神事を行う主な神社です。
- 長野県の諏訪大社(下社)の「筒粥神事」
- 新潟県の弥彦神社の「粥占炭置神事」
- 千葉県の安房神社の「粥占神事」
- 和歌山県の伊太祁曽神社の「卯杖祭」「粥占神事」
- 京都府の下鴨神社「御粥祭(御戸開神事)」
- 兵庫県の伊弉諾神宮の「粥占祭(淡路農林水産祭)」
- 大阪府の枚岡神社の「粥占奉賽祭」
「粥掻棒で女性の尻を叩くと子供ができる」といわれることもあります。
古くは「枕草子」で女房たちが棒で尻のたたき合いをして興ずるさまが描写されています。