会席料理とは

多くの人が会合する場に出される料理の総称。

現代では、少人数の集まりから大規模な披露宴まで、酒宴を伴う和食と言えばこの形式の料理が出されます。

一度にテーブルに並んだ旅館の会席料理
Photo by 写真素材 足成

しきたりが少なく味重視な料理

江戸前期の寛永6年(1629年)に俳人・山本西武が、京都の妙満寺で百韻興行を催したさいにふるまわれたのが始まりといわれます。

延宝年間(1673~1680年)になると、俳諧の会席と茶の湯の懐石が混同されてきて、どちらの場も会席と呼ばれるようになりました。

料理の方も、武家の本膳料理のしきたりに茶会の懐石を流用して、自由な味本位の献立に変化しました。

嘉永6年(1853年)の『守貞漫稿』に、幕末になって会席料理の形が整ったと書かれています。

明治になって、会席料理屋は京都や大阪で増加しました。

この会席料理を重詰めにして歌舞伎の幕間に食べたのが、幕の内料理です。

会席料理の内容


会席料理の配膳は、本膳料理を元にしています。
一汁三菜を基本として、規模や予算によって一汁五菜、二汁七菜など皿数や膳の数が増えていきます。

以下はもっとも豪華な与の膳会席の配膳例です。

本膳:客の目の前に置かれる

  • 前菜: 「突き出し」「お通し」「先付け」「前肴」ともいう。珍しい物を食欲をそそるように2~3種盛り合わせ、酒とともに勧められる。
  • 吸い物: すまし汁を用い、椀種の取り合わせを工夫して、季節感と新鮮さを表す。
  • 煮物: 「炊き合わせ」とも。野菜だけ2~3種、あるいは野菜を主にして獣鶏肉類をあしらうなど旬の食材を用いた煮物。盛りつけ方と器の美しさも楽しむ。
  • 刺身: 「造り」「差身」「指し身」とも。1人分が2~3品、赤・白・黄を基本として盛られている。赤は脂身の多い赤身魚、白は脂の少ない淡泊な白身魚、黄は貝など。これに「けん」(大根の千切りなど)「つま」(芽じそなど)「辛み」(わさびなど)の3種をあしらう。

二の膳:本膳の右側

  • 焼き物: 「台の物」とも。焙烙焼き(法楽焼きとも)か、焼き魚のことが多い。熱いうちに供される。結婚披露宴で出される「鯛の浜焼き」は引き出物なので食べずに持ち帰る。

三の膳:本膳の左側

  • 揚げ物: 天ぷらのこと。鯛・きす・かれい・はもなどの魚と、季節の野菜が主体。左手前から食べられるように盛りつけられている。
  • 蒸し物: 薯預(じょうよ)蒸し、かぶら蒸しなどがあるが、一番多いのは茶碗蒸し。

与の膳:本膳の向こう側

  • 酢の物: 料理の味のバランスを取るためのもの。一度で食べきらず、2~3回に分けて食べる。
  • 果物: 「水菓子」とも。食事の最後に食べる。

最後に

  • 飯: 膳の左側に置かれる。ご飯を一口残すと「おかわりを下さい」、残さず食べると「お茶をください」。ただし、結婚披露宴の赤飯は縁起物なのでおかわりできない。
  • 止椀: 膳の右側に置かれる。多くの場合味噌汁。ここで酒を供するのも終わるので、最後の料理という意味で止椀という。飯と交互に食べる。
  • 香の物: 飯と止め椀の中央の向こう側に置かれる。漬物やお新香のこと。2種盛りが基本で、必ずお新香が2枚つく。お新香は1枚残し、最後に食べる。


一品ずつ提供され、食べ終わったら次が運ばれてくるのを「喰い切り形式」、あらかじめずらりと配膳され、温かいものだけが後から提供されるのを「宴会形式」といいます。