清明(せいめい)
清明とは
二十四節気のうちの一つ。
新暦4月4日か5日頃で、旧暦三月(辰の月)の正節です。
春分の15日後。
太陽が黄経15度の点を通過する時を指します。
清明とは、「清浄明潔」の略で、春先の陽光を受けて、万物が清らかで生き生きとしているさまのことです。
空は青く晴れ渡り、この頃には草木の花が咲き始めます。
昔の中国では、この日には川辺で冬の間来ていた服を洗い、郊外で遊んで、祖先の墓参りをする習慣がありました。
日本列島を桜前線が北上し、一年のうちで華やかな時期です。
日本で越冬したガンが北へ去り、南からツバメが飛来します。
沖縄の清明祭
沖縄では、清明祭(シーミー)・御清明(ウシーミー)と呼ばれる先祖供養の祭りが行なわれます。
本家の墓(門中墓)の前に一族縁者が集まり、各世帯が持ち寄った重詰の料理・酒・花をお供えします。
重箱の料理のことを御三味(ウサンミ)といい、「天・地・海」の食材を用いた料理が9品が詰められています。
祝い事なので、かまぼこや餅には赤い色が用いられます。
墓所の掃除とお参りののちにお下がりをいただき、終日にぎやかに楽しみます。
シーミーは中国から伝えられました。
1768年に琉球の尚穆王が王家の墓所の玉陵で清明節に祭祀を行なったと琉球の正史『球陽』に記され、これが一般に広まりました。
シーミーが盛んなのは沖縄本島中南部で、沖縄本島北部や宮古・八重山などの島しょ部では旧暦一月十六日のジュールクニチーのほうが盛んに行なわれます。
これらの地域では、シーミーは何カ所も先祖の墓参りをしたのちに、墓の前か公園などでお下がりをいただきます。
シーミーをするのは清明の節内とされていますが、都合上この時期にできなかった場合は「流れ清明」(ナガリシーミー)といって穀雨(4月19日頃)以降に行なってもよいとされています。