冬至(とうじ)
冬至は太陽が復活する日
二十四節気のうちの一つ。
新暦12月22日頃で、旧暦十一月(子の月)の中気です。
立冬から45日後、太陽が黄経270度の点を通過する時を指します。
この日は太陽が赤道以南のもっとも遠い点にいくため、1年中でもっとも正午の太陽の高さが低く、日照時間が短くなります。
昼が1年中でいちばん短く、夜がいちばん長い日です。
しかし、日の出の時刻が1年でもっとも遅くなるのは冬至の半月ほど後で、日の入りがもっとも早くなるのは冬至の半月ほど前です。
太陰太陽暦を用いていた古代中国では、冬至の日を太陽の運行の出発点(暦の起点)として重視していました。
春分や立春よりは、空気が乾燥して晴天が続きやすいため影の長さによる太陽の観測がしやすかったからだと思われます。
日本の宮中では、奈良時代にその思想を取り入れ、1年の節目としました。
とくにこの日が旧暦の十一月朔日にあたると、「朔旦冬至」といって瑞祥とされ、宮中で盛大な祝宴が催されました。
中国では皇帝は、人民や土地だけでなく時間も支配すると考えられているので、朔旦冬至は政事が正しく行なわれている証しとして喜ばれたからです。
平成26年(2014年)は朔旦冬至でした。
次は、平成64年(2052年)でしょうか……?
冬至以降、日の長さは伸びていきます。
これから春気に還っていくので、「一陽来復(いちようらいふく)」といいます。
このころは冬型の気圧配置が続き、年末にかけて日本海を低気圧が発達しながら通過するため、荒れた天気になりやすくなります。
「クリスマス寒波」「年末低気圧」とも呼ばれ、注意が必要です。
冬至にはかぼちゃとゆず
冬至の日には小豆粥やかぼちゃを食べ、冷酒を飲み、ゆず湯に入って無病息災を願います。
古来、冬至の日にかぼちゃや大根を食べると、中風や風邪にかからないといわれました。
このかぼちゃの風習は、江戸時代に根付いたといわれます。
小豆は赤い色が邪気を祓うと考えられているので、1年の節目である冬至に食べられるようになったといわれます。
冬至は「湯治」と読み替えることができます。
またゆずは「融通」と読み替えられるので、温泉で療養の融通が利きますように、との願いを込めてゆず湯に入ります。
端午の節句に菖蒲湯に入るのと同じく、身を清める禊ぎの名残と考えられます。
大師講
この日に弘法大師の大師講を行なう地域があります。
弘法大師が来訪するので、小豆がゆ(大師がゆ・霜月がゆ)をお供えします。
1ヶ月早い11月22日から23日に行なう地域もあります。